社会福祉法人 愛誠会 みさとガーデン 施設長 古田 邦芳 様
私たちの施設は、特別養護老人ホームで
要介護3以上の高齢者の方が入られています。
入所者やスタッフとのやり取り、専門的な知識やノウハウが求められる現場であるため、外国人技能実習生を受け入れる際には、コミュニケーションがしっかり取れることが重要だと考えていました。
今、4人の実習生を受け入れて約4カ月が経ちましたが、すでに現場に溶け込んで一生懸命働いてくれています。介護の専門用語や日本語独特の曖昧なニュアンスの言葉は、徐々に覚えていってくれればと思いますが、普通のコミュニケーションを取ることには困っていません。特に一番コミュニケーションが上手い実習生の一人は、他の実習生よりも短い1年間しか母国で日本語を勉強していないにもかかわらず、真面目でやる気があって、その姿勢が知識の吸収につながっているように感じます。その他の実習生たちも人柄が優しく、入所者の皆さんに可愛がられているのを見かけます。
一方で、外国人技能実習生の滞在期間には期限があるため、限られた時間の中でしっかりとした知識や技術を学んでほしいと思っています。実習生たちは、配属されてから約1ヵ月は日本人スタッフが付いて指導しましたが、それ以降はそれぞれ独り立ちしたスタッフとして現場に入ってもらっています。ゆくゆくは国家試験が取れるレベルまで技術を身につけてもらうことを思い描いています。そして毎年、一定数の実習生を受け入れることで実習生同士でも技術を教え合いながらバトンタッチしていけるようになればとも考えています。
また、既存のスタッフには、外国人技能実習生を受け入れることで、自分たちの仕事が奪われるのではないかと考える人もいるかもしれません。そのすれ違いが現場での混乱を生む可能性があります。私たちの施設では、実習生を受け入れる目的や意義についてスタッフたちに先にしっかりと伝えるとともに、実習生にも日々の不安や疑問がないか話を聞く場を設けるようにしました。外国人技能実習生の受け入れを検討している施設や企業では、実習生や現場のスタッフときちんとコミュニケーションを図ることで、スムーズな受け入れが可能になるのではないでしょうか。